そうこうしてるうちにケーキはいい感じに焼き上がった。

オーブンから取り出すと甘いチョコレートの匂いが広がった。


「わあ、いい匂い!」

「ちゃんと焼けてるね。あとは冷まして冷蔵庫に入れるだけ。そうすれば今はふわふわのケーキもしっとりしてくるんだよ」

「そうなんだ。確かに今はふわふわしたケーキだね」


出来上がりを想像すると今からでもヨダレが出た。


─2時間後─


冷蔵庫からケーキを取り出して見てみるとケーキはさっきよりも少し小さめになっていた。

あとは切り分けてデコレーションをするだけ。


「はい、これ心向の分。これで足りる?」

「・・・あ、と・・・」

「え?」

「・・・あと、一つ・・・足りないかな・・・」

「そう?じゃあ、はい。これで足りるよね」


ユウカちゃんは私の分のお皿にもう一切れケーキを乗せてくれた。


「うん」