プリを撮るために私達はゲーセンにやって来た。

クリスマスというだけあってゲーセンは人でごった返している。

たまにサンタのコスプレをした女の子の集団とすれ違ったりもした。

もちろん、カップルもたくさんいた。

最近入った新しいプリ機の前には行列が出来ていた。


「人多いね、やっぱり」


雑音にかき消されそうなほどか細い声で私はそう呟いた。


「心向、ならぶよ!早くしないともっと行列出来ちゃう!」


ユウカちゃんは呆気にとられている私の手を引いてその行列の最後尾に並んだ。

そんななか、私はずっと人ごみの中、1人の人をを探していた。

・・・陽汰先輩。

いるわけないよね。でも、もしかしたあ彼女さんと来てるかもしれない・・・。彼女さん、いるのかな・・・?


「心向、順番きたよ」


ユウカちゃんの声で私は我に帰った。


「なに、もう。最近ぼーっとすること多いね」

「えへへ・・・。そうかなぁ」

「まあいいや。はやくプリ撮ろ!」


そして私達はプリ機の中に入った。