私達が通る両端には2年生や3年生、保護者が見守っている。

まあ、見守っているのは保護者くらいかもしれない。

これから先輩になる人たちは気だるそうに欠伸(あくび)をしている人もいたし。

無事、用意されたパイプ椅子に到着し、とりあえず胸を撫で下ろした。


「在校生代表、高良陽汰。歓迎の挨拶」


先生のその言葉で舞台に3年生らしき人がのぼった。


「新入生の皆さん。このたびは入学おめでとうございます。私たち在校生一同は、皆さんの入学を心から歓迎しています。──────...、」


あー。あともうちょっとかな?疲れてきちゃたよぉ。

心の中でそんなことをぼやいていると歓迎の挨拶はあっという間に終わった。