水の入ったコップを握る手に力がこもる。


「俺の話も聞いてくれる?」

「へ・・・?」


先輩は私を真っ直ぐに見つめて、そう言った。


「心向ちゃんと出会って、最初はよくドジる子だなってのが印象だった」

「・・・」

「心配で目が放せないフリをして、俺はいつの間にか心向ちゃんを目で追うようになっていた」


え・・・っ。


「・・・好きになってたんだ」

「・・・・っぅそ」

「本当。だけど、高校に入って、サクラに出会って告白された。俺も心向ちゃんを忘れられるいい機会だと思った」

「・・・」

「・・・でも、忘れられなかった。どこかへ遊びに行くにしても、いつも心向ちゃんの姿を探していた」


・・・先輩が・・・?











「自分勝手だって、分かってる。でも、俺は心向ちゃんが好きだ・・・!!」