─G駅前、喫茶店─


喫茶店に着くと、先輩は入り口から見える窓側の席に座っていた。


「・・・先輩」


呼びかけると先輩は何も言わず、掌をこちらにヒラっと見せた。

私は先輩の向かい側の席に座った。


「あの、卒業式は大丈夫なんですか?」

「うん、先生に体調悪いって言ったから」


少しの沈黙のあと、私は続けた。


「・・・・あの」

「ん?」

「私、やっぱり先輩が好きです。・・・あ、聞いてくれるだけでいいんです」

「・・・・」

「ずっと中1から好きで、私の初恋でした」

「・・・うん」

「だけど、先輩には彼女さんがいて、私は先輩を諦めようとしました。・・・だけど、無理でした」


だんだんと涙が滲んでくる。


「やっぱり先輩じゃなきゃ、駄目なんだって思いました・・・っ」