「・・・あの!」


俺はナオを放って、先輩に近寄った。


「・・・?君、確か・・・」

「速水です」

「ああ、そうそう」

「試合終わったら、少しだけ話できます」

「・・・・・いいけど」


不穏な空気のまま、試合は始まった。

俺が先輩に話したいことは山ほどある。

試合は大事だけど、今は早く終わってほしいと思えた。