「陽汰もあの後からずっと様子変だったし。ねえ何か隠してるの?」


サクラさんは少し苛ついたように私を見下ろす。


「・・・ほ、本当にただの先輩です」

「ふぅーん。・・・あなた、もしかして陽汰のこと・・・」


サクラさんがそこまで言いかけた瞬間、私の視界は真っ暗になった。


「!?」


それと同時に、後ろから聞きなれた声がした。


「すみません。三瀬、返してもらっていいですか?」

「───・・・っな」

「それと、今はもう俺の彼女なんで、苛めないでもらえます?」


真っ暗な視界の中、そんな会話が聞こえた。


「三瀬、行こう」


視界が明るくなったと思えば今度は腕を引かれ、その場を強制的に立ち去る事になった。

最後に目に映ったのは、サクラさんがポツンと一人で立っている姿。