繋いだ速水くんの手は、少し冷たくなった私の手を温めてくれるようだった。


「三瀬の手、冷たいな」

「速水くんはあったかいね」

「昔、手があったかいヤツは心が冷たくて、逆に手が冷たいヤツは心があったかいって聞いたな」

「・・・じゃあそれは嘘になっちゃうね」


速水くんは『なんで?』と言って不思議そうに私を見た。


「速水くんは冷たい人じゃないからだよ」


すると速水くんは照れたように、顔をそっぽに向けてしまった。

その様子が可愛く思えた。

いっそ、本当に速水くんを好きになれたら、楽なのに・・・。