「陽汰?」

「え、あぁ。中学のとき、の後輩だよ」

「へぇ、仲いいんだね」

「・・・うん、まあ」


先輩は苦笑していた。

そりゃ彼女さんといるときに、一回告白した子が目の前に現れたら困るよね。

これ以上、迷惑かけたくない。


「先輩達デートですか?」


私は明るく振舞った。


「・・・うん。心向ちゃん達は?」

「・・・っ」


言葉が喉につっかえて出てこない。


「俺らもデートです」


黙っていると、速水くんがそう力強く答えた。


「・・・・へぇ」


先輩は少しの間を置いて返事をした。


「じゃ、俺らはこれで失礼します」


そうして速水くんは私の手を引いてこのエリアを出た。