*ふわり、はつこい*


「ヨウタっ」


──────・・・!?



綺麗な世界の中、私は絶対に視たくないものを見てしまった。


「サクラ」


優しく知らない名前を呼ぶ声。


「陽汰、待ってよ」



甘えるような声の女の人が、嬉しそうに腕を巻きつける。

・・・・・っ先輩。




「・・・・っ」


見たくないのに、ここから逃げ出したいのに、体が動かなかった。

お願い、私に気付かないで。