*ふわり、はつこい*

「あ、あはは・・・そうだっけ?ぼーっとしてたや」


私は動揺を隠すように、お弁当の玉子焼きを突付いた。


「・・・先輩のこと、考えてた?」

「っ!!」


私は心臓が止まるかと思った。


「・・・っ・・・っ。ごめんなさい」

「わっ謝るなよ!俺が利用していいって言ったんだからっ。それに謝られるとなんかふられるみてーじゃん」


速水くんは自分の拳を、私のおでこにコツンと当てた。


「うん、ごめ・・・じゃなくて、ありがとう」

「おう」


こんなの、速水くんによくないのに・・・。