*ふわり、はつこい*

─数ヵ月後─


速水くんと付き合ってから3ヶ月が経った。

時間が経つのはこんなにも早いんだと、実感した。


「三瀬、弁当食おうぜ」

「うん」


速水くんは"利用"していいって言ってくれたけど、本当にそう思ってくれてるのかな。

実際、3ヶ月経っても先輩を忘れることは出来ていない。

こんな半端な気持ちで速水くんと付き合っていることにも罪悪感を感じた。


「おーい、三瀬?」


その声ではっと我に帰る。


「え、あ、なんの話だっけ?」


私は笑って誤魔化した。


「話って、別になんも話してなかっただろ?大丈夫か?」


速水くんはおかしそうに笑っていた。