入試が迫っているので卒業の余韻に浸る暇もなかった。

私は机に向かい、問題集とノートを広げた。

だけど集中が続かない。


「・・・本当にあっという間だな。こんな調子で入試もあっという間に来るんだろな」


独り言をぼそぼそと喋る。

社会も理科も手付かずのまま、私はベッドにダイブした。


「あ〜、あんなに泣いたの久しぶりかな〜。そうでもないか」


一度ベッドに寝てしまうともう起き上がれない。

私は一眠りすることにした。


─ヴーッヴーッヴーッ─


「・・・?」


携帯のバイブ音だと分かり、私は寝転がったままベッドの端に置いてる携帯に手を伸ばした。

そこには"メール受信完了"の文字。

私は受信BOXを開く。

すると、

《From:陽汰先輩
Sub:

卒業おめでとう(^-^)/》


たった一行のメールだった。

だけど、心臓が煩くて、目頭が熱くなった。