そんな疑問が浮かんだ瞬間、私は誰かに手首をグイっと引かれた。


「・・・!?」


私は体勢を少し崩してしまい、つまづきそうになった。

私の周りの子は私の後ろを、驚いたような表情で見ていた。

私も反射的に後ろを向く。


「・・・っ!!」


何で・・・。

私の腕を引っ張ったのは、後ろを向いてやっと分かった。


「先輩!!?」


先輩に握られた手首が熱くなる。


「ちょっと心向ちゃん借りるね」


先輩は意味深な笑顔を浮かべ、私の腕を引いて歩き出した。


「あ・・・っ」


私は強制的に先輩の後を着いていく形となっている。