「・・・っ!」


私はまた目を逸らしてしまった。

きっと顔も赤くなっている。


「あ、顔赤いぞ〜!やっぱり、好きな人来てるんだ、よかったね!!」


ミウちゃんは悪びれのない笑顔を私に向けた。

私は少し苦笑した。

だって今の、先輩に聞かれたんだもん。


「その人と写真撮らなくいいの?さっき撮ったの?アタシがトイレ行ってる間に」

「え、あ・・・うぅん。撮ってないよ。でも話しかける勇気もなくて」

「そっか〜。難しいよね〜。来年は撮れるといいね!」


ミウちゃんは小さくガッツポーズをとった。

私もつられてピースサインをする。

するとそこに近づいてくる一つの影。


「あれ、三瀬?」


この声は、


「速水くん!」


速水くんは私の地区とは違う、地区の印が背中に印刷された地盤を着ていた。