*ふわり、はつこい*

声のした方を見てみる。

そこには二人の男の子の後姿。

でも、私には後姿でも分かった。

・・・先輩だって。


「・・・っ」


心臓が止まりそうなくらい、苦しかった。

会いたかった。

ずっと、会いたかった。

世界一会いたかった人。


「心向ちゃ〜んっお待たせ〜」


私の視界は急に揺らぎ、背中を誰かに押された。

後ろを振り向くとミウちゃんが立っていた。


「あ、ミウちゃん。お帰り」

「ただいま〜。てゆかまだ浜行ってなかったんだ〜」


ミウちゃんのよく通る声はきっと10mも離れてない先輩に丸聞こえだろう。

私は先輩の方をもう一度見た。

すると、


「・・・っぁ」


目が、合ってしまった。