*ふわり、はつこい*

─夜─


晩ご飯も食べ終わり、暗くなってくると祭りのフィナーレとなる。

今度は屋台を浜から会館まで担いで練り歩くのだ。

私達はいずみやから出て屋台のある場所に向かった。

・・・先輩、来てるのかな。昼間まではいなかったけど。まあ平日だし、高校は休めないもんね。・・・・・・会いたいよぉ。

あっという間に浜に着いてしまった。


「ごめん、心向ちゃんアタシ、トイレ行ってくるね。先行ってて!」


ミウちゃんは私に笛を持たせて行ってしまった。

私は一人で浜に向かう。

そんなとき、


「おいヨウタ、それ俺にもくれよー!」

「は?やだ」


心臓が高鳴った。

・・・・せんぱ・・・い?