*ふわり、はつこい*

「もし･･･もし、片想いしてる人に、下の名前で呼ばれたり、いきなり抱き締められたりしたら･･･どう思う･･･?」


私は途切れ途切れな言葉でそう言った。


「わっわ!なにそれ〜っめっちゃいいじゃん!!･･･心向ちゃん、もしかしてされたの!?」


ミウちゃんはキラキラと目を輝かせて興奮気味にこっちを見ている。


「ややややや･･･ッ、だから、例えばの話で･･･っ」

「やだ〜なにそれなにそれ〜めっちゃロマンチックじゃ〜ん!その人もなかなかやってくれるね〜」


ミウちゃんは私の話しをまったく聞いていない。


「それってもう両想いだよね〜!!」


私はミウちゃんの言葉にドキっとした。

そしてなぜか冷や汗をかく。


「･･･あ、あはは。今の話、忘れてっははは･･･は･･･」


私は引きつった笑顔でギリギリそう言った。


「それだけされると期待もしちゃうよね〜」


ミウちゃんは自分の世界に入ってしまったようなので、私はもう放っておくことにした。