*ふわり、はつこい*

「・・・っそ、そんなわけないじゃんっっ!!」


私は慌てて否定をした。


「だって先輩には好きな人がいるんだよ!?」

「でも、それが心向じゃないなんて、誰が言ったの?先輩が言ったの?」


私はユウカちゃんの言葉に言い返す言葉がなく、黙り込む。


「それが心向じゃないなんて誰も言ってないんでしょ?よく考えてみてよ、先輩の今までの行動を」


私は頭の中で思い返す。


「心向のことだけ下の名前で呼ぶし、試合もわざわざ呼んでくれた。それに好きじゃない子を抱き締めたりする?」


・・・だって、期待したくないんだもん。傷つきたくないんだもん。きっと傷つくことになったら私、どうにかなっちゃいそうなんだもん。怖いんだもん。

今にも涙が溢れそうだった。