今日も夜の7時から10時まで3時間の祭りの練習がある。

私は友達といつも一緒に練習に行っていた。


「なんか今年は秋になっても暑い日があったりするよね」

「そーだね。夏も特別暑かったもんね」


笛をやる子で同い年は、今一緒にいるミウちゃんしかいない。


「ミウちゃんは今年海とか行った?」

「うぅん、親に塾パンパンに詰められちゃって・・・。休みなんてほとんどなかったよ〜」


長いストレートの綺麗な髪を秋風に靡(なび)かせながら、ミウちゃんは気だるそうにそう言った。


「そんなに?」

「もう休みとか週に1回か2回くらいだった」

「うわぁ、すごいね」


練習のほとんどはこんな他愛の無い会話で終わる。

笛は中学に入ってからずっとしていたから練習はさほどしなくても覚えているのだ。