シュンとジュンちゃんとヨーコと私の四人での映画デートのあと

シュンとジュンちゃんの友人の家に行った。

シュンとジュンちゃんは、お酒を飲んで
たわいもない会話で盛り上がっていた。

時間は、深夜12時を回ったぐらいだった。

私は、少し眠気が襲ってきて
無口になって、みんなの会話を聞いているだけだった。

そしたら、シュンがいきなり立ち上がり
一人。外へと行ってしまった。

私は
【シュン。どうしたんだろー?】
と思いつつも、出て行くシュンのうしろ姿を、ただ見てるだけしか出来なかった。

その時。
ヨーコが
『リエ!なにしてんの?!追いかけな!』
とちょっとキツイ言い方で
私を促した。

私は
【ハッ】と思い、慌てて立ち上がり
シュンの後を追った。

「シュンー。」
まだ、ちゃんと履けていない靴の踵を踏み
小走りでシュンを追いかけた。

少し、先に、シュンが立ち止まり
私の方を振り向いてくれた。

また、私は
さっきより少し早く走り
シュンの所へ行った。

「どうしたの?」

と私の問いかけに

シュンは

「少し。歩こう。」

と答えた。

二人で
手をつなぎ

薄暗い街灯をたよりに
無言のまま、二人で歩き続けた。

シュンが

「話があるんだ。」

と黙っていた口を開いて
私に言ってきた。

「なに?」

私が返すと
シュンは

「俺。リエの事、本気だよ……。マジで一目惚れして、お前を好きになった!」

「うん……。」

何だか、ちょっと重たい空気と
シュンの
『話があるんだ。』
の言葉で、不安な気持ちになっていた。

シュンは
立ち止まり、私の顔をみつめて

「俺の事 好き?」

と聞いてきた。

私は

「うん。好きだよ。」

とシュンへの気持ちを伝えた。

シュンは

「そっかー。良かった。俺も 大好き。」

と言ってくれた。

でも、私は、シュンのその言葉よりも
『話があるんだ。』の言葉の事が気になっていた。

シュンが

「俺……。リエに一目惚れして、好きになった。って言ったけど、その時は、まだ、ちゃんと別れきれていない彼女がいたんだ。」

私は、驚いたケド

【ごめんなさい。私も、同じ……。】

とゆう、思いがあった。

私にも
その時は、連絡も取っていない、会ってもいない、気持ちも冷めていた、事実上の彼氏が居た。
私も、ちゃんと『別れよう』という事を告げていない……と、フッと思い出した。

シュンは
真剣な顔で

「リエが俺の事、 『好き』って言ってくれたから、ちゃんと別れるから。ごめんな。」

と言ってきた。

『違う。私も……。ごめんなさい。』

私も慌てて、シュンに事実上の彼氏の話をした。

シュンは、ちょっと戸惑った感じだったけれど

「ジャー。二人でちゃんと別れてこよう!」

と言って

大きな体に
広い腕の中に
私を優しく抱きしめてくれた。

私は
素直に
『シュンと一緒にいたい。』
と想えた。

シュンの広くて、大きな体に包まれながら
私は

「うん。ちゃんとしようね。」

とシュンの顔を見上げながら答えた。

シュンは
そんな私の顔を見下ろし

優しくて。あたたかいキスをしてくれた。