シュンが修学旅行から帰宅した翌日。
告白されてから、初めて会った。

それは。

シュンの親友ジュンちゃんと、私の親友ヨーコも付き合ってた事もあって、初めてのデートは
Wデートだった。

私は、ジュンちゃんとヨーコと3人で
隣の市まで出て、シュンと待ち合わせ……ってなっていた。

待ち合わせより、少しだけ早くついちゃった私たちは、街をブラブラして時間調整をしていた。
ジュンちゃんとヨーコは楽しそうに
二人で手を繋ぎながら、時間を潰して居たけれど。

私は、シュンと久しぶりに会う緊張と
告白されてから、初めての再会で、胸が潰されるくらいの、ドキドキでいっぱいだった。
待ち合わせの時間になってから
待ち合わせの場所へ、三人で向かった。


でも。
シュンの姿がなく……。
5分待っても。10分待っても。来ない。

私は、なんか、不安な気持ちになっていた。

『どうしたんだろう?』

そう思っていても、何でか口には出来なかった。

ジュンちゃんは
『アイツ。なにしてんだよー。』 て少し怒った口調でボソリと言っていたのに
私は、思わず
「来ないんじゃない?!」と言ってみた。

ジュンちゃんは
『リエちゃんに、会えるの楽しみにしてたから、絶対来るよ!』と何だか、私に気を使ってる返事を返してきた。

【また、少し、どっかで時間潰して
もう一度、待ち合わせ場所に来よう】

とゆう、ヨーコの提案に賛同して
近くのゲームセンターに行く事にした。

ゲームセンターに向かって三人で歩いていたら


前から、背が高くて、スラーッとしてるけれど
ガッチリした、見覚えのある、大柄な男の人が歩いて来た。

ジュンちゃんが
『おいっ!おせーよ!』と声を掛けていた。

シュンだった。

シュンは、軽い口調で
「ごめん。ごめん。床屋行ってた。」と答えていた。
シュンは、ヨーコに
「久しぶり。」と声を掛けていた。
ヨーコも
「久しぶり~。遅いよ~。」と話をしていた。

私は、一人。ポツン。としていたら
シュンが、私の傍に来てくれて。

「ごめんね。待たせちゃったな。」

と優しく頭を撫でてくれた。

私のドキドキは、シュンに聞こえちゃうんじゃないかな?ぐらいのドキドキで

ただ。うなづくだけしか出来なかった。


初めて、シュンと手を繋いで歩いていた時も
大きな体に、大きな手に、私は、ドキドキが止まらなかった。

四人で、映画を観に行って、初デートが始まった。

映画を観ていても、隣には
シュンがいる。
私は、映画になんか、集中出来ず
ただ。スクリーンを観ていただけだった。

シュンが

「外に出よう。」

と言ってきた。

私は、緊張を隠しきれずに

「うん。」

と答えて、二人で手を繋ぎながら、夕暮れの街をブラブラした。

会話もなく、ただ歩いていただけだった。

シュンが 、明るい声で

「ゲーセン行こうか?!」

て言ってきたのに、

私も、明るい声で

「うん。行く!」

と言って、近くのゲームセンターへ行った。


二人で、テーブルゲームをしながら
自然に会話が出来て、少しずつ、私の緊張もほぐれていった。

ジュンちゃんとヨーコを
映画館に置いてきたまま、何も言わずに
二人で映画館を出てきちゃったから

【きっと、二人が怒ってるよ!】

とゲームセンターを出て、シュンと私は、映画館に戻る事にした。


映画館に戻ってみたら、まだ、上映中で
ロビーのベンチに
シュンと私は、座って
ジュンちゃんとヨーコが出てくるのを、待っていた。

その間、シュンは、修学旅行の思い出話をしてくれて、私を笑わせてくれた。

そしたら、シュンが、急に黙って

「……。……。……。俺。リエにマジだから。
あり得ないと思ってたケド。人生で初めて、一目惚れってしたよ。」

って言ってくれた。

私は、すごく。すごく。
幸せな、あたたかい。気分になっていた。

シュンは、私の

「ありがと。」

と言った言葉を聞いたあとに

Gパンのポケットから
ネックレスを出して

「お土産だよ。つけてくれる?」

と言って。
緊張してるのか、ちょっと冷たい手で
私の首に手を回して、つけてくれた。

私は、少し、微笑みながら

「どう?」

って、照れくさそうに聞いてみた。

シュンは

「うん。似合う。似合う。」

て、微笑み返してくれた。


二人で、手を握ったまま
『今度は、二人でデートしような。』
『二人で、どこ行こうか?』
とか、これから先の二人のデートプランを話をしていた。


そこに。
ちょっと、怒りながら
ジュンちゃんとヨーコが映画館から出てきて

『二人で、どこ行ってたんだよー!』
って叱られ

シュンは、私に

「ナイショだよなー。」

って笑って言っていた。

そんなシュンの笑顔は、やっぱり少年ぽさが残る可愛らしい笑顔だった。


それから、四人で
シュンとジュンちゃんの友達の家に行く事になって、電車を乗り換えしながら
四人で、楽しい時間を過ごした。


私は
シュンへの想いが
この一日だけで、どんどん膨らんでいた。