私は。
預けられ先に着いてから

【ついちゃった。】
と悲しい気持ちが、増してきた。


やっぱり、私の住む町と違って
辺りを見渡しても、山ばかり。

空気は、おいしいけど

コンビニは無い。
自動販売機も無い。

車はもちろん。

人の歩く姿も見当たらない。


私は、寂しさと、孤独を感じて
つらかった。

ただ。
ひとつ上の、さっちゃんだけは
本当に、喜んで、私を迎え入れてくれた。

久しぶりに会った、さっちゃんは。

『リエ。元気だったー?また、悪さしすぎたんでしょ。』

と呆れながらも、笑って私の心を和ませてくれた。

さっちゃんも、私が淋しそうにしているのに
気づいたのか、色んな話をしてきてくれた。

私は、さっちゃんの話を聞きながらも

シュンの事を思っていた。

『今。何してるのかな?』
そんな事ばかり、考えていた。


…………。


夜になると、昼間とは違う
淋しさが襲った。

耐えられるか。
私には自信がなかった。

お風呂からあがり
部屋には、布団が敷いてある。

【あ~。私は、本当に。一ヶ月もここにいるんだ。】
と虚しさも襲った。


そんな時。

電話がなった。


私は、意識もせず
髪を乾かして、普段より全然早い
寝る支度をしていた。

そしたら。

『リエ~。電話だよ!』
と声が聞こえてきた。

私は

【えっ?!】
と思い。
電話に出た。

「もしもし?」

「リエ?!」

シュンの声だった。

私は、嬉しくて。嬉しくて。たまらなかった。

「シュン。どーしたの?」

電話が来ると思っていなかった、私は、本当にびっくりした。

シュンは

「無事、ついたんだね。大丈夫か?淋しくないか?」

と私に問いかけてくれた。

私は、寂しいけれど

【シュンが心配する。】
と思って。

「全然。大丈夫だよー。」

と明るく答えた。

シュンは

「…。なら。よかった。そっちで、バカな事すんなよ。ちゃんと、一ヶ月で帰って来いよ。」

とシュンは言ってきた。

私は

「大丈夫だよー。回りにはコンビニすらないんだから。山ばっかりだよ。何もしないよー。」

と冗談気に言ってみせた。

シュンは

「じゃー。大丈夫だな。」

「うん。ちゃんと、いい子にしてるから。」

シュンは、私の事を心配してくれていた。

「なんかあったら、すぐに電話しろよ!行ってやるからな。」

シュンの言葉が嬉しかった。


シュンが電話をくれた安心感と疲れと寝不足だった私は、ぐっすり眠れた。