それはぼんやりとした黄色い光。
家の外灯とは違う、古びたような丸い光。その辺りだけやけに生えている木々の間から覗く光に目をやると、つい足はその方向へと進んでいて、近づいてみると木々は敷地を区別するために周囲に植えられたものだという事が分かった。
これは…公園?
テレビや本で見たそれを思い出す。実際に来たのは初めてだったけれど、夜の公園には人が居ないものらしい。
どこか昼間の名残りであろう人の気配が残るそこをとても奇妙な場所に感じ、奥まで足を踏み入れることを恐れた私はキョロキョロと辺りに目をやる。するとそこで見つけた先程目に入った光。
それは背の高い外灯だった。丸い電気が高い位置でボンヤリ光っていて、その下にはベンチが置かれていた。古びたベンチがボンヤリとした光に照らされる。そして、その照らされた先で気づいたもう一人の人間の存在。
……人?
入り口付近から顔だけ動かしていた私から少し離れたそのベンチ。その人は黒いパーカーのフードを被り、俯き加減で座っている。多分…男の人だ。



