ここに在らず。



家に着くと同時に外から閉められた鍵。まだこれだけは譲れないらしく、仕方ないか、なんて私は思った。

夕食後、お風呂もあがり身支度を整え、私はベッドの上で本を開く。


あの夢を見た日から逆に諦めがついたというか、なんというか。帰りに公園に向かう事も無くなり、家で本を読み漁る日々を続けていた。

昔からファンタジーが好きだった。いきなり違う世界に飛ばされて、“君が来るを待っていた”なんて言われるのを夢見た頃がある。

こっちでは冴えないタイプの主人公が向こうでは伝説の勇者だったりして、そんな主人公に自分を重ねて、もしかしたら私も…なんて。今は流石にそこまでのめり込まないけれど、だとしてもやっぱりファンタジーはワクワクする。