ここに在らず。



そのまま連れられて向かった先には、いつもの迎えに来てくれる時の車があった。それに私が乗り込んだのを確認すると、トウマさんは運転席へと移動して、ゆっくりと車は動き出す。


「…トウマさん。あの…」

「ん?」

「あの…色々聞きたい事はあるのですが…トウマさん」

「うん」

「…み、未来の約束って…?」


どういうこと?と、様子を窺いつつ私は胸を高鳴らせて尋ねた。

3年後には何があるのだろうと、手を引かれながら私は考えた。3年後、私は成人する。大人になった私にとって、トウマさんは保護者では無くなる。その時にまた私とトウマさんが母に会いに来る事が…ご挨拶と、トウマさんは言っていて…


「あぁ。…それはな、」


すると、尋ねる私の隣で車を走らせながらチラリと視線をよこしたトウマさんは、それはそれはいつも通りに、その裏にあるであろう心境を表す素振りも無く私に告げた。




「君の居場所は、ずっとここに在るって事だ」




それは本当にいつも通りで、普段と何も変わらない受け答えだった。…けれど、その意味がハッキリしないにしても、それでも私にはそれが未来の幸せに繋がっているのだと分かった。


ーーいつもの彼が、いつもの優しい笑顔で紡ぐ、私達の未来の約束。



そこに見えたのは、ずっと見えなかった私の未来に在る、幸せへの道筋だった。





ここに在らず。