でも、すぐにそうなれるとは思わない。だってやっぱり私には何もかも足りないから。今のままのお手伝いでも良いけれど、やっぱり私も同じ立場でやっていきたい。でもその立場になるまでの力が備わっていないから、だから今の状況が結局想いに一番近い形になっていて、だけどそんな状況を続ける事は、出来てあと一年間だと理解はしていて。
どんな道へ進めばそこへ行けるのか、それが私には分からなかった。だから進路が決められない。傍に居たいのに、傍に居られるための最善の道が見つからない。
「…なんだ、だったら簡単だ」
「…え?」
唐突に、トウマさんはポツリと呟いた。…簡単?それが一体何の事だと私は理解が出来ない。私が思うに、簡単な事なんて何一つ無い。
…はずなのだけれど、やっぱりトウマさんにとってはそれは違うらしい。
「進路は就職だな。このままうちに就職して、一緒に作っていこう。それで決まりだ」
「え?…え?いや、でもそんな簡単に言いますけど、」
「実際簡単だ。君にはもう仕事だってやって貰ってるし、経験だってこれからまだ一年間も積んでいける。誰よりもここに近い場所に居るだろう?」
「いや、いやいやでも…」
「というか、君がそうしてくれたらと俺も思っていたんだ」
「え?」
「君以外が着たってそれはただの遠回りだ。君が着る事で、一番そこに近づけるんだから」



