返って来たのはストレートな問い。それに私はつい口籠ってしまった。そう来るだろうなと予想はしていたけれど…口にするのがなんだか恥ずかしい。それはやっぱり、私には身の程をわきまえていないというか、それで断られたらどうしようというか、呆れられたらどうすればというか…
「サエ」
「は、はい」
「何でも言ってくれていいんだ。そしたら俺はそれに応えたいと思うし、俺は君のためなら何でもしようと思う」
「……」
「それが君の傍に居るための俺の役割だと思ってるんだ。例えその役割の名前が保護者だったとしても」
「……保護者」
突如出てきたその単語。それに私はなんだか懐かしさと、どことなく苦々しさを抱く。
「…そうか、保護者。そういえば以前、トウマさんは私の保護者だと言ってましたね」
「あぁ。君が大人になるまでは君の保護者であろうと思ってる」
「大人になるまで?じゃあその後は?」
「それはまだ、少し先の話だから。今は進路を決めないと」
…話を逸らされた。



