“すっかりあんたもここの社員じゃん”なんてナツキさんから言われた事もあるこの生活が、あの日からの私の毎日で、そんな毎日が私はとても楽しかった。いつもキラキラと輝いて、私の日々を照らしてくれていた。
だから、そんな日々を過ごしていくと今まで以上のスピードで…それはもう以前の私からしたら目まぐるしいくらいに早く、しかも濃く一日一日が過ぎるので、気づけば秋も終わり冬が来て、すっかり忘れていた事を思い出す事になった。ーーそのきっかけは、学校で配られた一枚の用紙である。
「……進路希望調査書…」
しかも、最終盤。
そうだ。もう2年生も終わって3年生になる。
…高校生も、最後の年だ。
この学校の生徒はほぼ進学希望なので、ここに書く事は今更進学か就職かなどでは無く、どこの学校を受験するのかという決定事項を記入する事が当たり前の時期であった。進学重視の私立の学校だ、これは特に珍しくも無いだろう。だから私も大学に進学なんてさせてもらえる訳が無いけれど、就職なんて想像する事も無かったので今までずっと進学希望で通してきた。…でも、今はどうだろう。
トウマさんに頼んでまでして進学をする気も無ければ、就職という未来も想像がつかない。私はまた、見えない未来というものと向き合う事になってしまって、今度こそは本当に答えを出さなければならない状況に立たされたのだ。
……どうしよう。



