ここに在らず。



結局、私がそれを聞いて何をどう思おうと、今の最後に告げられた事に間違いが無いのなら何の意味も無い事。どういう方法だろうと私が疑ったり不安になる事に意味は無いと、ナツキさんは言葉にせずとも会話の中で教えてくれているのだと、私は気づいた。


「それが今、ついに自分の意見をあんたに押し通したってことは…それだけあんたが居なくなるような不安があって焦っていたのか、それとも自分の気持ちを告げてもあんたが居なくならないと確信したのかのどちらかだろうな。あぁ、でも朝のトウマさんはやけに機嫌が良かったから、もしかしたら確信したのかもしれない」

「……」


そう言えばと、そう言われて一つ。私の中では思い当たる節があった。


「…私が本心を言ったのが嬉しいと、だから自分も本心を言うと、そう言っていたと思います」


…そうだ。それでトウマさんは私に本心として、知らない所へ行って欲しく無いと言ったんだ。


「あれは私がトウマさんと対等になりたいと、手を引きたいと思っていることを伝えたから…だからトウマさんは、私に本心を言った」