ここに在らず。



そんな事を考えていたその時、ナツキさんからの返事が来る。それはまさに今思っていた通りの返事というような感じで、私は思わず「やっぱり、そうですか…」と、溢れ出る残念感を口から零した。


「あと一ヶ月ですしね…それに何も知らない私にはやっぱり難しいですよね…」

「いや、実際本気で稼ごうと思うなら金自体はどうにでもなるさ。日雇いで手渡しのやつ探せばいいし、あんたも高校生だ。何も知らなくたって教えて貰えばバイトくらい出来るだろ。だから俺が言ってるのはそう言う事じゃなくて……ほら、忘れたのか?あんたには過保護な保護者がついてんだろ?」

「…あ…」

「あんたがどうしてもって言うならそっちは俺が手配してやれない事も無いけど…多分許しが出ないな、いや絶対」

「……」


た、確かに。なんて心の中で思ってしまう私は、過保護という言葉に納得がいってしまっている…うん、すみません…トウマさん…。