「な、なんでって…使う機会が無かったので…」
「無かった⁈ いやいや、全部使ってんのと同じくらいそれはそれで問題だろ」
あり得ないとでも言いたそうな…というか、すでにそう言われているようなものだけれど、ナツキさんはそんな物言いで私をなんだか珍しいものでも見るかのような目で見てくる。そんなに可笑しな事なのだろうか。一体皆さんはどれくらいのお金をどれくらいのペースで使うのだろう。
「…まぁでも、だとしたらなんでだ?なんで急にそんな金が必要的な事に…あ、もしかして、何かさせられてんじゃないだろうな?あんたの学校、頭良さそうだけど実は色々あるのか?まぁお坊っちゃんお嬢ちゃんの考えは分かんないからな、もし何かされてるんだったら俺が言ってやるからまず相手の名前をだな、」
「い、いえいえそういう訳では!そういう訳では無いんです!そのような事は決して!」
「?、だったらなんでだよ」
「あ…えっと…えっとですね?お金を、自分で稼ぎたくて…」
「だから、なんで稼ぐ必要があるんだよ」
「……」



