そして、「あんたは普段からぐだぐた色んな事考えてんだろうなぁ」と、ナツキさんは少し呆れたように言う。なんだか結構失礼な事を言われている気がしなくもないのだけれど…まぁでも確かに、否定は出来ない。
「変わったか、ねぇ…」
「はい」
「…まぁ、そうなんじゃね?だってほら、アレ見えて来たけど大丈夫なんだろ?」
そう言ってナツキさんが指差すのは、昨日私の足を止める原因となった建物。学校の裏側である。
昨日とまったく同じ道でここまで来た。だから私は、アレが見える前から今どこら辺に居るのかは分かっていた。だからだんだん近づくそこまでの距離も感じていて、だけど私は…昨日の私とは、違っていた。
怖くないと言ったら嘘になる。何も感じていない訳では無い。でも今は、昨日の私とは違うのだ。



