その瞬間、私の中の何かが、隅の方で反応した。これは…きっと、昨日からずっとそこに居た、私の気分を暗くするあの気持ち。分からない感情。
私の反応をナツキさんは窺っていた。私が私の中で何が反応しているのかを必死に探している間も、ナツキさんは私から目を逸らさず、そしてどうやら私より先に答えに辿り着いたらしい。
「あんたから見てさ、保護者じゃないよな、トウマさんは。そう思って今まで過ごしてきてないし、そういう関係を求めてた訳じゃないだろ?あんたはトウマさんに家族愛以外にももっと違うものを感じていたはずだ。それなのに保護者だとか言われて、二人の関係が変わってしまったように感じた。だから自分の中で色々焦りとか劣等感とかが生まれてきたんだ」
「……」
…自分の事なのに、それはまるで分かっていなかった気持ち。それなのにナツキさんは平然と言ってのけてしまう、私の分からなかったその気持ちを。



