ここに在らず。



「えっ…と、それは、もちろん良いんだけど…」

「けど、何ですか?」

「いや、てっきり君は戻るのかと…だからそのつもりで言ったのに…って、本当に良いのか?」

「はい」

「でも、あんなに悩んでたのに、こんなにあっさり…」

「ふふ、いいんです」


私はついに笑ってしまった。可笑しいなと、不思議だなと思った。


「私、一人ではありませんでした。あそこを出ても一人じゃない、それは夢でもないって、それをすっかり忘れていました」