ここに在らず。



「私、もう知っています。あれは現実だったって。トウマさんはあの時、私にこれは夢だとおっしゃいました。でもあれは現実で、だからトウマさんは分かっててそう答えたと、そう言う訳ですよね?だとしたら何故ですか?何故あの時嘘をついたんですか?そして何故…嘘をついてないと、今おっしゃるんですか?」


また私は分からなくなった。もしかしたら私の前のトウマさんは全て偽物だったのかもしれない。今までの信じていた彼も全て、嘘で固められた…もしかしたら、本邸のあの人達とも関わりがあるみたいだし、ずっと前から何かの意図があったのかもしれない。


「…あなたは、私をどうしたいんですか?」


ジッと、私は彼を見つめる。その先で彼は真っ直ぐに私から視線を外さない。動揺もせずに、その視線はただひたすら真っ直ぐに向けられていた。