何色がいいかな…なんて探してみると、頭の端でチラリと色が見えた。それは、いつも真っ直ぐだった。真っ直ぐとこちらを見つめているのだけれど、そのどこか奥底に何かが燻っているのだと、私は分かっていた。だからこそ綺麗だと思ったのだ。その色もまた彼の色で、彼の存在を表す色だった。それは初めて見た、誰にも無い、綺麗な灰色ーー
「ーーサエっ!」
……声が、聞こえた。
でも、その声は今私が思い浮かべていたものではない。
落ち着きの無い足音が徐々に近づいて来る。これはジョギングの足音でも無い。
「おい、サエ!あんたサエだろう⁈ 」



