ここに在らず。



だからといって現実の彼の抱く想い、その真実を知りたいとは思えない。もし知ってしまったら、今までの私の宝物も崩れ去ってしまうかもしれない、そう思うとこのまま終わりにする事が一番なのではと思った。…トウマさんにもきっと事実は伝わっているだろう。きっと彼も…そう思っているはずに違いない。


…けれどもし、と、私は考えてしまう。
もし私が何も知らないままだったとしたなら、夢だと信じ続けていたのなら、今もそれは続いていたのだろうかと。そうしたら私は一体、トウマさんは一体…なんて、そんな現実を夢見てしまう私は案外諦めが悪いようだった。…はやく諦めよう。きっともう、それはありもしない現実。そうだ、私にはもう何も残っていないのだから。

何も無くなった私が今、そんな未来を想っても何の意味も無い。そんな事は分かっている、分かっているのだ。もう私は私の日常に戻るだけ。今まで通りの何も無い私の……でも、だったらこれからは、何を糧にこの日常を続けていけばいいのだろう。あの頃あった意味はもうここにはない。なら私がここに居る意味は?私が抱く感情の意味は?私がこうして…生き続ける意味は?