昔の私には母とのために、という意味があった。母からは必要とされているのだと、心から信じていた。それだけが私の意味だったから、何も無い毎日だってそれを支える大切な日常だった。
…でも、そんな意味が崩れ去った時。真っ暗な闇の中で、たった一人で佇む私の前に……彼が、トウマさんが現れた。
トウマさんに会う事で、トウマさんと話す事で、私は今まで知らなかったものに沢山触れる事が出来た。そして気づけば沢山のものを与えて貰っていて、それが夢であろうが現実であろうが、その時の私が感じた想い、起きた出来事の全ては、変えられない私の大切な宝物になった。
幸せだった。今でも思う、あの頃は幸せだったと。私の身に起こる不思議から目を逸らし、ただ真っ直ぐに彼の事を信じる事が出来たのだから。…いや、今だって別に信じていない訳では無いけれど、でももうあの頃のようには…トウマさんの中にあるであろう私には分からない想いの事を思うと、どうしてもあの頃のようにはなれそうも無かった。



