生まれた声は、震えていた。頼りない声。頭の中ではやめてと叫ぶあの声が涙交じりのものになる。泣いている。もう終わりだと言っている。
「それは一体、誰の事で…?」
その言葉を口にした瞬間、ピタリと、あのうるさかった声がピタリと止んだ。すると不思議な事に、同時にあの圧迫感もスッと軽くなる。
そして頭の中はシンとした。声が無くなる事で、重い圧迫感が多少和らぐ事で、妙にクリアになる私の頭の中。今そこには何もない。そのスペースにはきっと、次に告げられる言葉が入ってくる。
それはつまり…次のその言葉を私は待っているのだと、そういう事なのかもしれない。



