ここに在らず。



兎に角不安で仕方がない。怖くて仕方がない。グチャグチャの頭の他に、心になんだか寒気を感じる。

するとまたも無意識のうちに足は進む方向を決めていて、何処から聞こえてくるのかも分からない音から逃げるうちに、気が付けば先に見えたのは自分の家だった。

荒い息を整える事も無く、私は真っ直ぐに離れへと向かう。玄関のドアを確認しなければと思った。閉まっているのか、開いているのか。でも、閉まっていたらどうしよう。いや、開いていたとしてもそれは…、


「……え?」


ピタリと、私は足を止める。私の視線はその先に佇む人間を捕らえた。