突如頭の中に聞こえて来た言葉。それは完全に昼のナツキさんの言葉。
これは…これは、現実なの…?
そう思った瞬間、違う違うと私の中で誰かが告げる。だったらなんで私はここに居るのだと。離れの鍵はかけられているはずだと。そして向き合う、今更ながらの疑問。
「私は、ここまでどうやって来たんだろう…」
それに関しては何も思い出せなかった。いつもそうだ。いつの間にか当たり前になっていたけれど、部屋を出られたとしてもここまでの道のりを歩んで来た記憶が無い。あるのは初めて会ったあの日だけだ。そしてそれは、帰りも同じ事……私は、いつもどうやって帰って来ている…?
…やっぱり、現実な訳が無い……



