「え、一度だけ?」
なんて、驚きからもう一度尋ねてくるナツキさんに、私は苦笑いをしてしまった。
そうだよなと思った。たった一度しか会っていないんだ、トウマさんと。
「…気持ち悪いんです、私」
それなのに、こんなにも夢に出てくるトウマさん。こんなに大切で特別なトウマさん。
でもそれは私の作り上げたもの。本人には一度しか会っていない。だからそれはきっと私のトウマさんという存在への依存度を表しているのだと思った。
トウマさんという存在が、今の私には必要なんだと思う。トウマさんがどこの誰だとか、どんな人だとか、今思えばそんな事は知らなくてもいいのかもしれない。



