ここに在らず。



「……嬉しい、んだと…思います」


そうか、そうだ。人に名前を呼ばれるのは嬉しい。覚えてもらえるのは嬉しい。

…そして、その人の瞳に私が映るのは嬉しい。


「嬉しいです…まるで、私が認められたようで…」


綺麗なその、二つの瞳。それは彼の、彼だけの灰色なーー…灰色?…そうだ、それはトウマさんの瞳。

じゃああれは、トウマさんの…


『サエ』


「!」