小さなキセキ




「あ、そういえば

俺、あんたの名前知んないかも」


「あ、わたしは

優花、前田 優花だよ」



そう言うと、宙くんは




「優花、ね

俺は宙、よろしくな」



といって、手を出してきた。


オロオロしながらわたしも手を出して

握手をすると



宙くんは、笑っていた。













しばらく話して

愛実さんの部屋へと戻ると


麻衣が帰る支度をしていた。



「あ、優花!

もうそろそろ帰るよー?」



「分かった、遅くなってごめんね?

愛実さん、漫画届けておきました!」



愛実さんは、『ありがとう。また来てね』


と言って、手を振って見送ってくれた。