小さなキセキ




「…よし」



手を広げて、深呼吸をして


ノックをしようとしたその時




「……なーにしてんの?」


声のする方を振り返ってみれば



手に病院内のコンビニの袋を持って

だるそうに壁に持たれている



宙くんだった。







「あ!

あの、これっ!」


宙くんに駆け寄って、漫画の入った紙袋を渡す。




宙くんは、『やっぱ忘れてたかー』って

笑っていた。




「わざわざ、ありがとな」


そういって




この間と同じように

頭を撫でた。