小さなキセキ




彼が出ていって少し。


「…あら?」



わたしの足元に、小さな紙袋が置いてある



「あの、この紙袋って愛実さんのですか?」



そう言って、拾い上げて中身を見てみると

愛実さんの部屋にあるあの『冒険もの』の漫画が

たくさん入っていた。



「何が入ってた?


あ、漫画じゃん!」


真衣は中身を見てそう言った。



「あー、じゃあきっと宙の忘れ物ね。


ほら、言ったでしょ

あの子、この部屋から漫画をあさりにくるから。」



そう言ってくすくす笑う愛実さんは


何故だかとても可愛く見えた。