「優花ちゃん、来てくれてありがとう!


お友達まで一緒に来てくれるなんて

ほら、こっちに座って?」



「優花の友達の真衣です。

愛実さん、はじめまして!」



すたすたと愛実さんのとなりへ座って

仲良く喋ってる真衣は



愛実さんの隣の椅子に座っている彼が


わたしの『会いたかった男の子』と気づいたんだろう。




きっと、気をきかせて私を彼の隣に

座らせようとしてくれたんだね。




「……じゃあ、俺はそろそろ帰るな。」



わたしが隣に座って、しばらくして

彼は座っていた椅子を片付け始めた



「そう?

ごめんね。



あ、紹介してなかったね

この子は林堂 宙(hayasi sora )。


この部屋にある漫画をあさりに毎日来るの。」



「おい、暇つぶしに

付き合ってやってんだろーが(笑)」



宙くんか…



彼は、冗談っぽく愛実さんを叩くふりをして


「じゃあ」と言って部屋を出ていった。