昨日ずっと寝ていなかったせいか、あっという間に襲いかかって来る睡魔。優しく頭を撫でてくれる早瀬の手がなんていうか気持ちよくて、

 あたしはグッスリ眠ってしまった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「結衣ってブリッコだよね。」

 違うよ、あたしは男子に好かれたい訳じゃない。


 「結衣に彼氏取られた。」

 取るつもりなんて無かったんだよ。由真が麻紘くんのこと大好きなの、知ってたから。


 「結衣に裏切られた。」

 違ーーーって、え?

 …知奈ちゃん?


 裏切られたってどういうこと?あたしは知奈ちゃんが大好きなのに。あたしが裏切るわけないのに。


 「結衣、大嫌い!!」

 待って、やだ。ちゃんと説明したいのに、声が出ない。知奈ちゃんが行っちゃう。やだやだやだーーー


 「い………結衣!!!」

 ハッとして起きると、目の前には心配そうに眉を歪める早瀬。

 ここは生徒会室。じゃあさっきのは夢だったんだ…


 「っ、」

 びっくりした。涙出た。怖い。あの時みたいで、すごく怖ーーー


 「結衣をこんなにも縛っている原因って、なに。」

 早瀬は優しく抱きしめながら、あたしに聞いてきた。辞めてよ、こんな時に優しくしないでよ。

 …ねぇ、怖いよ。


 早瀬も知奈ちゃんも、大好きになればなるほど、同じこと繰り返さないか不安なんだよ。あたしはいつになったら解放されるのかな?