「結衣、大丈夫?」
翌日。知奈ちゃんが心配したような顔をしてあたしを見る。
結局色々考えていたら寝れなくなって、オールしてしまった。テンションは高いけど、頭はズキズキする。
「大丈夫ー!風邪っぽいだけ!」
ニコッと笑ってそう言う。知奈ちゃんに心配してもらえるだけで元気もらえたのも事実だけど。
「いや、大丈夫じゃないね。」
後ろから、ヌッと顔を出した人物ーー早瀬。
「さっきからずっと見てたけど、一睡もしてないって顔してる。バカなの?」
その時の早瀬の口調は、あたしを嫌っていた時のような口調で。でも、顔はすごく心配そうにあたしを見ていた。
「斎藤、午前中サボるからコイツの理由考えてやって。」
そう言うと、ぐいっとあたしを引っ張るように教室を出る。
知奈ちゃん、早瀬のこと好きなのに。振り解きたいのに力が入らない。頭が、痛い。
「はやーー」
「お前さぁ、俺に心配させる天才だよな!!」
怒ったような口調なのに、困り顔の早瀬。
「ただの寝不足だよ?」
「うるさい。こっちは気になって気になって、仕方ねぇんだよ。アホ!」
早瀬って、こんな友達想いだったんだ。意外。

